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続きです。(1)はこちらからご覧ください。

シン 生放送は特に魂が削られるじゃないですか。夜中の12時から2時まで生放送やって家に帰ったら疲れていないわけがありません。それでもジョンヒョンは世界と会うためにラジオスタジオに来ていたということですよね?
キム もしかしたらラジオで逃げていたのかもしれません。僕は外に出るのがあまり好きじゃありません。たくさん人に会うのもあまり好きじゃないし。新しい何かをするのも怖いんです。ラジオはもう僕の空間のようでした。固くならずに新しいものに出会うことの出来る逃げ口になりました。

シン 慣れない空間が見慣れた自分の空間に流れ込んできたんですね。

キム 精神的避難所になったけれど肉体的な疲れを与えてくれる愛憎の空間になったような気がします。

シン そんな風に慣れない空間を嫌がる人がステージではなぜあんなにサッと勢いよく脱いでしまえるのか。毎日リビングで映画についての個人レッスンをしてあげていた弟なのに、ある日ステージで観たら筋肉質な身体を誇っていたというか。

キム それが芸能人という職業の大きな武器であり短所だと思います。シン記者は僕がどのような人なのか、人間的な部分までよく理解している方の中のひとりです。そうやってキム・ジョンヒョンを理解していたけれど歌手としての僕の姿を見たらまた違う。圧倒されて驚いて。その姿を見ながら、キム・ジョンヒョンはステージ上でキム・ジョンヒョンをこうやって作っていくんだなと思ってくれたらありがたいです。

シン どちらが本当のキム・ジョンヒョンなのか考えてもみたんですね。

キム ふたつとも本当のキム・ジョンヒョンですよ。だけど僕がどちらの方が楽なのかが重要だと思います。以前は歌手キム・ジョンヒョンの方が楽でした。そういうキム・ジョンヒョンのイメージが先に表されたから。僕も慣れていたから。だけどラジオを始めて変わりました。みんなに僕も人間なんだということを表現するようになってラジオを通して見せるキム・ジョンヒョンの姿もとても楽になりました。〈青い夜ジョンヒョンです〉のおかげで小品集の販売も出来ましたし小劇場公演も出来ました。

シン みんなに気楽に歩み寄れるようになったんですね。

チョン ラジオが本当にすごい役割を果たしていたんですね。聞いていると。

キム もう少ししたら小品集エピソード2が出ます。これからそんな風にふたつのアルバムを出すと思います。ちょっとファンタジーチックでパフォーマンスが可能な音楽と小品集に収録する曲のようにバラードとジャズとちょっとアコースティックな感性が込められた音楽。

シン SHINeeのキム・ジョンヒョンと〈青い夜〉のキム・ジョンヒョン。

キム もしかしたらSHINeeの音楽の中の僕が理想化された姿だとしたら小品集の音楽の中の僕はもう少し日常的で人間的な姿だと思います。これからもっとハッキリとそのふたつを分けていくつもりです。

シン アイドルは名前のように理想化された存在じゃないですか。みんなが好きにならずにはいられないように理想的に創られた美しい存在。そういう存在になるのが難しいからそういう存在に創り上げられたら当事者はアイドルという外皮を脱ぎ捨てることを怖いと思わないわけがありません。当然安住したくなるでしょう。ジョンヒョンが自分を出して世界と会いたいという意思を持つほど周りはむしろ不安に思うかもしれません。
キム 正直狂ってますよね。

シン なのになぜ?

キム それでもやらなくてはならなかったのは傷ついたからです。芸能人としての傷だけを言っているのではありません。生きてきてついた傷。生きていきながら得る傷。僕がよく使う表現では成長痛。人がパッと大きくなってしまうとストレッチマークが出来るじゃないですか。僕も腰にストレッチマークがあります。幼い頃人はどうして大きくなるんだろうと考えたことがあるんです。こういうストレッチマークを見たくなくて。幼い姿そのままだったらこうやって見たくないストレッチマークも出来なかっただろうに。成長痛もなかっただろうに。なんであえて大きくならないといけないんだろう。

チョン その頃から哲学者だったんですね。

キム 幼い頃から話にならないようなものに関して夢想家的な想像をしたりしていました。答えも出ない哲学的な悩みに没頭していました。人が苦しみながらも成長するのは生きるためだと思います。生きるために自分を傷つけて苦痛に耐えるのでしょう。僕も成長しながら傷ついたしその傷を曝け出す必要があったんです。

シン アイドルという職業を選択して他人より急いで成長したでしょう。辛いとも、ストレッチマークが出来て痕が残るとも思わないまま。それを隠して苦しみのない存在であるフリをすることも出来たと思います。逆に傷を曝け出して本当の自分で世界を生き抜くことも出来るし。

キム ただ生きたくて、生きるために僕自身が自分を少し壊したんだと思います。

チョン 生き残るために、生き抜くために、どっちの方が近いですか?

キム 僕は基本的に厭世的な人間です。幼い頃から憂鬱感をたくさん表してきたし今もそうです。だけどいつまでもそういう憂鬱感を維持しながら生きることは出来ないと思います。人生の序盤、中盤まではそういう憂鬱感を捨てることで生き残ることが出来ます。僕自身に閉じ込められて死なないようにするには苦しくても成長しなくてはならないけれど怖くて立ち止まってしまったら結局幼い精神にとどまるしかないんです。僕自身を変化させることを選択しました。僕の姿を大衆に曝け出すこと。僕の考えを理解させるために努力すること。僕はこうなんだということをみんなに分かってもらって、彼らが分かっているということを僕が分かっていれば僕が防御態勢を取ることが出来るじゃないですか。

チョン 積極的なコミュニケーションのためですか?

キム それよりはこれが僕なんだということを証明したくてやるというのが近いです。シン記者と番組でも話したんですが、人間は結局自分がどんな人なのかを世界に残すために生きていくんだと思います。僕が本当は誰なのか言わなくてはならないんです。
キム 'ミッドナイトスポイラー'の初放送で扱った映画が〈ダークナイト〉シリーズでした。最後の放送で扱った映画も〈ダークナイト〉シリーズで。最初と最後に関係を持たせました。〈ダークナイト〉はブルース・ウェインという人物がバットマンというアイドルを作ってみんな
にとっての象徴とする話です。バットマンに象徴される何かの価値を構築すること。そのような過程がアイドルが生き抜く方法と似ている部分があると番組で話したじゃないですか。大衆にある存在として認識され、その存在の皮を捨てて本当の自分となり旅立つこと。もちろん人によっては永遠にそのような大衆の存在としていようと地団駄を踏むでしょう。後の人は自分が創り上げた象徴を自ら壊して抜け出し本当の自分に戻ります。僕はキム・ジョンヒョンは後者だと思っていました。アイドル界のダークナイト。

キム 僕が人間に見えたらいいなとも思っていました。人として。芸能人はひとりの人間というよりはひとつのキャラクターとして表現されて理解されることの方がずっと多いじゃないですか。少なくとも僕は人間としても生きているんだという僕なりの答えのようなもの?そうやってひとりで雄弁しているんだと思います。

チョン 僕にはどうしていつもこういう感情が生まれるんだろう、なんで書いたり歌ったりしないと生きていけない気がするんだろう、こう悩みながら結局は生き残るために今のように生きているんですか?

キム これが僕の職業だと思っています。僕の職業は僕が持っている能力の中では一番イケてる才能ですし。僕は好きなことより上手く出来ることをやる方が良いと思うんです。

シン 好きなことを上手くやっているんじゃなかったですか?

キム 実は僕が本当に好きなことはプロデューシングをして文を書く方です。

シン そういえば今のその指輪はいつもはめている指輪じゃないですね?

キム この指輪は僕達のコンサートで販売していたグッズです。

シン いつもはめもせず持っていた指輪がありましたが。

キム それは外しました。その空間がぎこちなくてこの指輪をはめているんです。

シン それも人間的な傷?

キム (笑) 成長の過程?

シン 正直ラジオを手離して傷が増えるんじゃないかと心配になりますね。

キム 僕が一身上の問題でラジオを辞めるんだと言っているじゃないですか。一身上の問題だと言っているということはこれ以上の理由を聞かないでほしいという丁寧な拒絶を意味しているとも思います。それでも一身上の問題が治れば、もう平気だと思えたら、僕を訪ねてくれる人がいれば、戻りたいです。

シン 初めてSHINeeのメンバーに会った時覚えてますか?

キム あの頃だったと思います。中学3年生だったあの時。

シン 結成したのではなく会社に作られたものじゃないですか。

キム 5人が一緒にデビューするんだという知らせを受ける立場でした。

シン 当時はこんなにまでずっと一緒にいるとは思っていなかった状況だったでしょうし。その時こそ運命的な瞬間だったと思います。

キム 僕達は運命共同体なんですよね。家族のような。気付いたら僕の家族じゃないですか。気付いたら僕のチームで。もちろんこの会社に入ったのは僕の選択でしたが、それ以外に起こったいろんなことは僕の選択というよりは助言者達の決定に従った結果です。もちろん僕が選んでいなかったらそっちには行っていなかったと思います。その方々に対する信頼があったし。僕は実は周りの人達に多くの影響を受けるタイプではありません。当時も'この子達と同じチームになるんだな'と思ったし、ただ'デビューするんだな'くらいに思っていました。
シン クールだったんですね。

キム もちろん誰とデビューするかは重要です。だけど幼かったからそこまで気にする余力はありませんでした。僕ひとりのことでも忙しくて。他人には被害を与えたくないという強迫や、僕の役割をしっかりやらなくてはならないという強迫がありました。自分が未熟だと感じていたので。

チョン いろんな意味で本当に長兄みたいですね、ジョンヒョンさんは。

シン SHINeeという名前は気に入りましたか?

キム 深く考える暇がありませんでした。ただデビューが決まって、練習を始めた瞬間から劣等感に襲われていました。僕が好きで夢見ていたアーティストに対する劣等感というか。クリス・ブラウンとお前をなんで比べるんだと言う人もいるでしょうが僕には慰めになりません。僕の個人的な判断が重要なので。それが僕を一番大きく発展させた原動力なので。僕の憂鬱感や劣等感がいつも僕を支配している感情でした。

シン 今文を書いているんですよね?

キム スリラー小説。前回は恋愛小説を書いたんですがそれは僕が望んでいたジャンルではありませんでした。僕はラブストーリーはあまり好きじゃないんです。

チョン スリラーが好きなんですか?

キム 一番好きなジャンルです。僕を上手く表現することの出来る部分でもありますし。

シン 文は孤独でなくてはいけません。やっぱりジョンヒョンは両面的ですね。自分の中に潜んでいるキム・ジョンヒョンとステージ上で華やかに輝くキム・ジョンヒョン。
チョン 少し前に〈青い夜ジョンヒョンです〉聴いていて泣きそうになりました。ジョンヒョンさんは泣いていて。〈青い夜〉の最初の日、退職した父親と家族が肉屋を開いたというメッセージでした。やっとのことで客を送り出して扉を閉めた時、ちょっと休もうと思った時、ちょうど聴こえてきた番組が〈青い夜〉の初放送だったと。その日からその方は一日を終えてジョンヒョンさんの番組を聴きながら休んでいるんです。そのメッセージ覚えていますか?

キム リスナーの皆さんには話せませんでしたがあの時はすでに僕が降板を決めた後でした。なので申し訳なさの方がずっと大きくて、だからすごく涙が出ました。なぜかというとこの人達にはとってどのような意味になるのか僕は分かっていたので。僕にとっても同じくらい大きなものだから。何度も言っていますが僕が申し訳なくて罪悪感にかられるんですよ。だけどこれは性格のせいでもあると思います。丸い性格じゃないし捻くれた性格なのでそういうメッセージに出会うと自分への叱咤。なんでもっと出来ないんだ。なんでお前が言った言葉にもっとちゃんと責任を持てないんだ。だから余計にすごくちょっと…。

チョン 全て感じましたよ。

キム だからこんな文を書きました。"どうしたら良いんだろう、こんなに大きくなった僕の空間を"。この文章をこれからもじっくりと噛みしめるだろうなと思っています。

シン もうすぐ最後の生放送をすると思いますが、また涙を爆発させそうですね。どうしたら良いんだろう。

チョン 
SHINeeで'大きなダム'を担当しているそうで。あまりにも泣くから。

キム そうですね。最近はあまり涙を見せていませんでした。いろいろ理由があるんですけど涙を見せると僕がとても辛くなるので、個人的に。涙を見せるのを怖いと思ったり悲しかったりはしません。人が感情表現をするのは仕方ないことだと思うんですけど…。

シン どうしたら良いだろうか。

キム 実はあまり実感も湧きません。

チョン 今日の放送内容な決まっているんですよね?

キム 今日はリスナーメッセージの紹介をたくさんするつもりです。手書きの手紙の話も。実は午前12時から夜中の2時までやる深夜番組は情緒的に危険だと言われているんです。感受性が曝け出される時間だから。僕もそうでしたし。今日もきっとそうでしょう。
チョン さぁ、これからジョンDをどうしたら良いでしょうか。

キム 実は今スーツを着ているのもそれなりの礼儀を示す方法です。今日の生放送はオープンスタジオで行うんですがリスナーの皆さんがちょっとたくさん来られると思います。見えるラジオで行いますし。最後の挨拶をする時ちょっと着飾りたい気分でもあるので礼儀を示しているところです。

シン 幸せですか?デュオインタビュー最後の質問です。

キム 幸せになろうと思います。ここ半年くらい一番たくさん考えていました。幸せというものを。僕は性格自体が自分を苦しめるんです。こういう人達は幸せになるのが簡単じゃありません。代わりに成長をすることが出来ます。

チョン これからは幸せでありながら成長したいんですね。

キム 何年か前に母と姉に泣きながら駄々をこねたことがあります。すごく酒に酔って。母と姉に聞きました。引っ越ししてあまり経ってない時だったんです。幸せかと聞きました。酒を飲んで。寝ている家族を起こして。おじさんのように。僕の人生の最初の目標だったんです。母と姉が幸せであることが。ふたりとも起きて幸せだと言うんです。だけどすごく羨ましくて。幸せだと答えられることが。僕はそうじゃないのに。僕も幸せになりたい、と言いながらわんわん泣きました。母と姉に酷いことをしました。その時から幸せについてたくさん悩んできたんです。6ヶ月くらい僕がどうしたら幸せになれるのかについて具体的に悩んでいました。僕にはその変化の時が来たようです。これからは幸せにならなくてはいけません。幸せにならないと。幸せになります。

※訳の無断掲載ご遠慮ください

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