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恋愛小説 「ただ友」のワを広げよう

    妻ご乱心?
"知らなかった夫の顔2"

== 樋口瑛士 + 樋口瑛士の同僚(関根槙子) + 樋口眞奈 ==

「はいはい、分かったよ。それで? 妻は女子社員に何て言った?」
 俺の質問を待ちかねたように関根の目がメラキラッと光った。
「ほらっ、今年入社したばかりの田中さん、彼女が奥さんが目の前にいるって
いうのに、あなたが自分の憧れでどれほど素敵かっていうことを熱弁して
奥さんに向かって羨ましいって言ったのよ。」
・・・
「あんな素敵な男性《ひと》を旦那さんに持てた奥さんが私すっごい
羨ましいですぅ。いいなぁ・・ウラヤマシイ」
「あげるわよ。夫を堕とせたら夫をあなたにあげる。私がいいと言ってる
今なら不倫しても慰謝料も取らずにほいほいっあげてしまうわよ?
 我こそはと思ってる人は、さぁ・・どうぞぅ~ぉ」

 樋口眞奈の申し出に、その場で話を聞いていた若い女子社員たちは
色目気だった。

 そんな中、ただひとりお局の関根槇子だけが眉を顰めていたのだった。
・・・
 俺は当時の女子社員と妻の会話を聞かされ、愕然とした。
当然のように俺を捨てようとするかのようなその妻の言動に。
 あれから妻との生活の中では、そんなことがあったなんて微塵も感じられる
様子がないから、よけいに狐につままれたような話だったのだ。

 俺はいくら考えても心あたりがなく、きっと妻は妬ましく取れる
ような新人女子社員の言葉が疎ましくなって、挑発したのだろうという
結論に達し、日々の暮らしのなかで徐々に関根が持ってきたこの時の話も
忘れ去ろうとしていた。

・・・

 私たちは互いに年収の高い夫婦でおしどり夫婦として12年間の結婚生活
を過ごしてきた。
 
 妻の家族にも気配りしてくれるやさしい夫、尊敬していた夫、ストイックで
アダルトビデオなんて見たことがないという夫のことを信じもし、とても愛していた
・・のに。
 今までスマホなど見たことがなかったのに、たまたま夫が家にスマホを
忘れて行った日、私は自身遅出だったことから好奇心で夫のスマホの中を見て
しまい、私の知らない夫の外向けの姿を知ることになった。
---

 LINEなどで夫が言葉遊びしている相手は2~3人いるようだった。下品な話題で
モリモリ盛り上がっていてすごく楽し気な様子が分かるものだった。

 わたしは軽くめまいがした。もう読むのを・・自分の知らなかった夫の姿を
知るのを・・止められそうになく、職場に病欠の届を出して私は続きを読み続けた。
 夫は全く削除というものをしてなくて、面白いほど外面の夫の姿が
知れた。デートなどしている女性《おんな》もいた。年齢は皆私たち
夫婦よりかなり若かった。世間では男性というものは女は
若ければ若い程いいと聞いてはいたが、我が夫だけは違うと私は思い
続けていたのだ。

 笑えるぅ~何の、どんな根拠があって私はそんな世迷いごとを信じて
これたのか、頭はかなり混乱していて、とても動揺失くして続きは
読めなかった。

 めまいの後、動機までしてきて手の震えが半端なかった。
 どういうわけか、読めばよむほど途中で忘れたスマホを夫が取りに
帰ってきそうな気がして、焦りながら各やり取りを読み進めた。

 あぁ~とうとう、こんなものまで。OH MY GOD!
 神様嘘だと言って・・ウソだと。

 女から下半身の裸体画像が送られてきていて、その返しだろうか
夫は自分のナニがもっこりと分かるボクサーパンツ姿のはっきりと
映った画像を相手の女に送信していたのだ。

 私の怒りはMAXを迎えた。もしも目の前に夫本人がいたなら
私は泣き叫び、どういうことだと・・私を騙してこんなことしてと
問い詰め暴れていたかもしれない。それほど目の前の現実は私を
発狂させたのだった。

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ブログ村 恋愛小説(純愛) 17

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