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おはようございます!

毎月紹介している、先月読んだ本の紹介記事。
今日は1月に読んだ本の紹介です。

1月に読んだ本はこちら
注文をまちがえる料理店 小国士朗風待ちのひと  伊吹有喜グアテマラの弟  片桐はいり六番目の小夜子  恩田陸くちぶえ番長  重松清

注文をまちがえる料理店  小国士朗
テレビの特集で見たことのある方ももしかしたらいらっしゃるかも^ ^
期間限定でオープンした実際のレストランのお話。
お店の名前は「注文をまちがえる料理店」
こちらのスタッフは全員認知症の方です。
前半はそれぞれのスタッフの方のエピソード。後半は著者の小国さんが注文をまちがえる料理店をオープンするまでの経緯が書かれています。
認知症の方と聞くと、つい「介護」という言葉が頭に浮かんで、「できないこと」に目がいってしまいます。でも、その人の「できること」に目を向けて、周囲の人がサポートすることで認知症の人も社会の中での役割を得ることができる。
もちろん、きれい事だけでは済まないこともあるかもしれないけれど、こういうポジティブな考え方がもっと広まっていくといいなと思いました。
わたしもいつか注文をまちがえる料理店に行ってみたい^ ^
風待ちのひと  伊吹有喜
以前、コメントで伊吹有喜さんの本がオススメと教えていただいて、積読本の中に偶然伊吹さんの著書があったので、読んでみました。
心の風邪で休職中の哲司。家庭は崩壊寸前で、亡き母の自宅を片付けるために休暇をとって一人、田舎の町にやってきます。
そこで出会った、心に大きな傷を抱えている喜美子。
同い年の二人が海辺の町で次第に心を通わせていく大人の青春恋愛小説。
爽やかで切なくて温かい、素敵な小説でした。あまり恋愛ものは読まないのですが、これはよかった!
グアテマラの弟  片桐はいり
前回に続き、またまたはいりさんのエッセイです。
一冊まるまるグアテマラに住む弟さんのもとへ遊びにいったときのエッセイです。
年子のきょうだいだからなのか、思春期から喧嘩もできないほど仲が悪くなっていたはいりさんと弟さん。
弟さんはグアテマラの首都アンティグアの自宅でスペイン語学校の運営をしています。
30歳になったとき、ふとグアテマラに住む弟さんに国際電話をかけて、遊びに行くことになったはいりさん。グアテマラの人の文化や暮らしをはいりさん目線で楽しく描かれたエッセイです。
はいりさんと一緒にグアテマラで過ごしたような気になる、読み応えがあるエッセイです。
あとがきが弟さんなのもまた良い^ ^
六番目の小夜子  恩田陸
恩田陸さんのデビュー作。
実写化もされていたので、もしかしたら昔テレビで見たことがある方もいるかも?
ある高校で10数年に渡り受け継がれている「サヨコ伝説」
3年に一度、卒業生の中にいるサヨコから、次のサヨコを指名される。サヨコは学年にただ一人のため、前回のサヨコと、指名された新たなサヨコしか知らない。自分がサヨコであることを誰にも知られずに次のサヨコに引き継ぐことができれば、それがその年の良きしるしであり、サヨコは勝ったことになる…というゲーム。
ミステリーっぽくてハラハラドキドキ、サヨコに翻弄されるクラスメイトや、サヨコ本人の視点からも描かれていて、スピード感のある物語でした。
ただ、ミステリーかと思いきや、最後は青春もの?というかんじで、わたしの理解力が乏しく「あれ?なんだかよくわからないまま終わった」と感じてしまいました。
多分一回読んでまた読み直すのが面白い小説なのだと思います^ ^また読みたいなと思える小説だったので、少し間を開けてまた読んでみようと思います。
くちぶえ番長  重松清
重松さんの本は泣ける本というイメージで、今までなんとなく読んでいなかったのですが(泣く本は外で読めないため避けがち)、この本は家にいる数時間で読みきれました。そしてボロボロ泣きました!笑
小学四年生のツヨシのひみつノートに書かれていた話を、大人になって作家になったツヨシが手直しして一冊の本にします。それがこのくちぶえ番長。
プロローグとエピローグのみ大人になったツヨシの文で、全編小学四年生のツヨシが書いた話です。
ある日ツヨシのクラスに転向してきたマコトという女の子。「わたし、この学校の番長になる!」と宣言するほど、強い子です。
でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは誰よりも優しく、友達思いで、頼りになる女の子。
誰かが困っていたら、それをしっかり助けてあげられる、正義の番長でもあるマコトと、ツヨシの一年間の友情物語です。
夫が昼寝をしている数時間で、わたしは一人リビングでボロボロ泣きながらこの本を読みました。
小学四年生の書いた文という話なので、とても読みやすく、同じ四年生くらいから読むのにぴったりな本だと思います^ ^
子どもが読んでも、大人が読んでも胸に響くとってもオススメの本です!
2月はなかなか忙しく、今のところまだ1冊しか読めていませんが、時間を作ってゆっくり本を読みたいなと思っています^ ^
オススメの本があれば、ぜひ教えてくださいね。
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次世代型恋愛小説の条件を考えてみるよ

  1
2
3   「誰?」
 佐和子は原稿用紙に目を落としながら言った。
「昔からの友達だよ。前に話したことあるだろ? 中学の頃から仲のいい周って奴がいるって」
「ふうん」
 煙草を灰皿に立てかけ、佐和子は後頭部を掻いた。目は細めたままで字を追っていた。
「で、なんて?」
「結婚するんだってさ。相手も昔から知ってる子だ」
 佐和子は顔をあげた。
「あら、おめでとう」
「いや、別に俺じゃないし」
「だけど、仲のいいお友達なんでしょ。おめでたいことに変わりないじゃない」
 強士は佐和子の向かいに座った。テーブルの上には原稿用紙が散乱していた。強士はそれを手にとって端を揃えた。佐和子は煙草をくゆらしつつ目をさらに細めさせた。

 彼らは大学時代から一緒に暮らすようになっていた。佐和子は彼女によく似合った職業――図書館司書になり、古い本に囲まれる生活をつづけていた。強士は大学近辺にあった工場の経理事務員として働き、仕事帰りに喫茶店でノートや原稿用紙に向かう生活をしていた。彼は当初の思いから離れ、純粋に想像力を働かせたものを書くようになっていた。自分たちとは違う人物の出てくる物語だ。ほんとうに書きたいものもいつかは書けるようになる。彼はそう思うようにした。そのためには書く訓練をしなければならない、とだ。
 諦めに似た気持ちもあった。自分たちのことを文章にするなんてできっこないと彼は思っていた。それはどのような物語で、結末はどうなるんだ? そう考えると手をつけられなかった。いまだ継続していることを言葉に置き換えるなんてできるわけがない。それらは不確かで、曖昧で、これからも変化していくもののはずだ。

「ねえ、」と佐和子は言って、原稿用紙をテーブルに落とした。
「悪くないとは思うのよ。まとまってるし、心理描写も確かなものに思えるわ。こういうとき人ってこう動くだろうなってのがきちんと書かれてはいる」
「うん」
「だけど、だけどよ、なにかが変に思えるの。これって外形的には違うように書いてるけど、恋愛小説でもあるわけじゃない? その割には誰もがほんとうに相手のことを思ってないように感じちゃうの。人を好きになるのって、もっとこう、身勝手なものじゃない。荒々しいとこってのがあるべきだと思うのよ。それがまったく無いの。すべての登場人物が幸せになれるわけないのに、そうさせようとしてこんがらがっちゃってるの」
「なるほど」
「なるほど、じゃないわよ。ね、実際にそうでしょ? 誰かの幸せが他の人にとっては不幸ってことあるじゃない。恋愛なんてのはそういうのがあって当然よ。これじゃ誰もを幸せにしようとして、結局はみんなが不幸になるって話になっちゃうわよ。それこそ悲劇だわ。ま、そういう話だってなら別にそれでもいいけど、だったら違う書き方をすべきだって思うわ」
 強士は複雑な顔つきになった。自分たちが実際にしてきたことを指摘されたように思えたのだ。佐和子はじっと見つめてきて、それから唇を歪めさせた。書いたものに批評をくわえるといつも彼女はそういう表情をさせる。

「書き直すべきかな?」
「それはあなたが決めるべきことよ。これで納得がいくってなら、このままでもいいんじゃない。最初に言ったけど、まとまってはいるって思うもの。だけど、きっとあなたは納得してないんでしょ?」
 強士はキッチンに行き、濃いコーヒーを淹れはじめた。佐和子は椅子の上で伸びをしてから強士の背後にまわった。腰に腕を絡めさせ、頬を耳にあててきた。
「まだ書くの?」
「いや、小説はよしとくよ」
 コーヒーが落ちるのを見ながら強士はこたえた。
「ただ、結婚式に友人代表のスピーチを頼むって言われたんだ。その下書きだけはやっておこうかなって思って」
「そう」
 絡めた腕を離すと佐和子は小さく言った。
「悪いけど私はもう寝るわ。あなたもほどほどにしときなさいよ。明日も仕事なんだからね」
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